五十肩のリハビリをされている方へ
五十肩とはそもそも何でしょうか。
普通の肩こりは、筋肉の疲労することで血液循環が悪くなり、筋肉中に老廃物が溜まることで起こります。対して四十肩・五十肩は、肩にある筋腱組織や関節が炎症を起こした状態のことを言います。
五十肩のタイプとその対処法
五十肩のタイプは、その症状の種類によって大きく3つのタイプに分けることができます。
じっとしていても痛い
いわゆる「急性期」と言われる時期で、何もしていなくても、肩に痛みがある状態です。ひどい方だと、少し肩を動かしただけで動けなくなるほど強い痛みを感じたり、夜中に痛みで目が覚めるなどの症状があります。
まずこの場合は、できるだけ安静に過ごすことが大切です。また、氷水を作り、アイスバッグなどに入れて肩を冷やすことも効果があります。但し、冷やしすぎはよくありません。アイスバッグがない場合は、氷水をビニール袋に入れたものをタオルなどで包み、それで冷やしましょう。また、冷やす時間も20~30分までとしてください。
動かすと痛い
拘縮期と呼ばれ、普段は痛みを感じないが、動かすと痛む状態です。例えば、腕に上を上げたり、背中に回す(エプロンやベルトなどを後ろで結ぶ、お尻のポケットに入っている財布を取り出すなど)などの動作を行うと、痛みやすくなります。
この時期は、冷やすよりも温める方が効果がある場合があります。筋肉が拘縮して動かしづらくなっていることがあるので、温めることで筋肉の緊張を和らげましょう。また、症状が回復してきたからといって無理は禁物です。簡単なストレッチなどで徐々に関節の可動域を広げていきましょう。
痛みが残るが、日常生活に支障はない
回復期と呼ばれ、大きく腕を動かすと痛みは出るが、日常の生活にほとんど支障はありません。また痛みもそこまでひどいものではなく、少しストレッチをすれば痛みが収まる程度の状態です。
この時期は、積極的にストレッチを行うと良いでしょう。また日常生活でも、腕をできるだけ大きく動かすことを心がけると、より効果が高まります。例えば、上着を脱ぐ時は腕をピンと上まで伸ばす、腕を伸ばした後5~10秒ほどその姿勢をキープするなどです。「腕(肩)を大きく動かした状態をしばらくキープする」ことを意識しましょう。
当院での治療
五十肩のリハビリをしている人の中で、なかなか効果上がりにくいと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。多くの場合、肩関節の位置がいわゆる「巻き肩」になっています。巻き肩の方は、立った状態を横から見ると、かなり前方に歪んでしまっています。
このような方の場合は、仮に肩の関節の状態が良くなっても、巻き肩のために正常な肩関節の動きが出来なくなっているのです。肩関節が拘縮を起こし、尚且つ巻き肩であれば、五十肩のリハビリがうまくいかないだろうと考えられます。
巻き肩を改善するには、主に肩甲骨と股関節の動きを正常に戻す必要があります。
当院ではまず、鍼治療で肩の関節周りと肩甲骨周囲の疼痛緩和を図り、筋緊張を緩めてから、肩甲骨まわりの可動性を高める整体(操法)で、短期間で改善する施術を行っていきます。